熱海と三島の中間あたりにある丹那断層公園に行ってきた。「丹那」といえば、私の小さい頃、丹那トンネルがすごく難工事であったことや日本で有数の長いトンネルだったことを教わった。その丹那トンネルとこの丹那断層が交差している。
写真の黄色が断層のライン。相対的に言うと、上の地面が左へ、下の地面が右へずれたという。だから、一直線だった石垣が断層のラインで約2mずれている。つまり、断層で横に2mずれた。その北伊豆地震から約90年もたっているので、別に断層の線がくっきりみえるわけでもなく、溝があるわけでもない。熱くもなければ普通に草が生えている。
ちょうど丹那トンネルの工事中にこの地震が起きたらしい。また、工事でこの辺りの土地の地下水が大量に抜けてしまい、地域の方はこれまでやっていた稲作やワサビ栽培ができずに、酪農などの産業に転換をせざるを得なかったという。自然と文明そして、そこに生きる人間の壮絶なる戦いが垣間見える。
駐車している車は私の車一台となり、夕暮れも近づき、公園は静かになってきた。断層のラインをじっと見ている私に、先ほどまでトイレのあたりにいたおじさんが声をかけてきた。2ⅿのずれについて説明してくれた。お蔭でよくわかった。たぶん、この地域の方で、工事や地震のことを知り、そして産業の転換を体験した人だと思う。こんな人が次の世代にいろんなことを語り継いでいってほしい。
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