「ボラ待ちやぐら」が穴水湾にぽつんと1基立っています。人がいるのかとよく見たら、人は案山子であります。昔はこのようにボラを獲ったとのこと。
あまりボラは食べないと思いますが、ある人曰く、刺身でも食べれて、しかも大変おいしいとのこと。漁法はやぐらの上で終日、ボラの群れが海底に張った網の上を通るのを待って、群れが通れば引き上げるというもの。最盛期には40基ほどあったそうです。
ボラの旬は冬場で、脂がのっていて「寒ボラ」と言われ、大変美味しいらしい。つまり、このやぐらの上で日向ぼっこのようにボラを待っていたのではなく、寒い冬場に荒れている海の上で、あまり良い設備もなく、じっとボラの来るのを待っていたと思うと、実に大変な仕事であったはず。
このボラ待ちやぐらを見る限りでは、昔の人は何とのどかで競争の意識もなく、ゆったりと仕事をしていたように感じますが、ひょっとしたら、現代人よりかなり我慢強く、競争意識も激しく、生き抜くことが現代よりもっともっと大変だったのかもしれません。
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