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喪黒福造も立っている


 氷見市内では「光禅寺」に寄ってきた。ここは加賀藩前田家ゆかりの古刹であるとともに漫画家 藤子不二雄Ⓐさんの生家という。すごく立派な寺院だが、その山門をくぐると石像がお迎えしてくれる。忍者ハットリくん、怪物くん、プロゴルファー猿そして喪黒福造。ちょっと違和感を感ずるが、生家だから仕方がない。できれば、もう少し雰囲気のある石像にしてほしいと思うが。この中では喪黒福造は私には印象的。

 喪黒は悩める現代人のちょっとした願望をかなえてくれるが、約束を破ったり忠告を聞き入れなかった場合には、代償を負わせ、最後はその人を破滅させてしまう。欲望や誘惑に負けてしまう人間の弱さ、愚かさと喪黒のやくざっぽい怖さが今でも印象に残る。喪黒の存在は私の子供心に飛び込み、人間形成という面で影響は受けたように思う。

 この夏に秋田の男鹿半島に行ってきたが「なまはげ」も同じような存在かもしれない。怖い「なまはげ」が子供らが怠けないように戒めるが、少し強引で子供らは逃げ惑う。そんな中で倫理観が子供の心の中に育っていく。喪黒も一種の「なまはげ」かもしれない。

 子供のころたくさんの漫画を読んだし、テレビも見た。「巨人の星」「鉄腕アトム」が今でも印象に残っている。子供にとって漫画は人間形成という面で重要なポイントであるように感ずる。漫画といえば娯楽として見られがちであるが、小説と同じようにしっかりと評価されるべき。文科省推薦漫画という評価もあっていい。

 

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