
繊維ロープと物性、強度、点検廃棄基準など
合成繊維ロープ、クレモナロープ、テトロンロープ、カラーロープ、ナイロンロープの強度、破断荷重、比重、耐熱性、耐候性、耐酸性、アルカリ、有機溶剤の物性を比較します。合繊ロープの使用上の注意点や点検、廃棄基準、安全係数、安全率などを説明します。ヨットロープ、紅白ロープ、しゅろロープ、綿ロープ、マニラロープなどをご紹介します。
繊維ロープの特徴、物性比較表
繊維の種類による、比重、強度、軟化点温度、耐候性、耐酸性、耐アルカリ性、耐有機溶剤性で比較した表です。目安としてご利用ください。

(注)スパンは短い繊維をより合わせた紡績糸で綿状です。モノはモノフィラメントのことで、釣糸のような太い1本の繊維です。マルチはマルチフィラメントのことで、細く長い繊維をフィルム状に束ねたものをより合わせたもので摩耗すると毛羽立ちます。
(注)PEはポリエチレン、 PPはポリプロピレンです。また、テトロンはスパン状ではなく、マルチモノフィラメント状のロープとして強度を考えています。
(注)強度比較はマニラを1.0として、それぞれの繊維で強度を比較したものです。同じ繊維でもそれぞれのメーカーの仕様により、いろんな種類のものがありますので、ここではその繊維の大体の強度の比較表として参考にしてください。
◎ 非常に優れている ○ 優れている △ やや劣っている X 劣っている
繊維ロープの荷重表、安全率、使用上の注意、点検廃棄について
※ 繊維の種類ごと、ロープの太さごとの強度表(破断荷重表)です。 単位(トン)

(注)PEはポリエチレン、 PPはポリプロピレンです。また、テトロン(ポリエステル)はスパン状ではなく、マルチモノフィラメント状のものとして考えています。
(注)同じ繊維でも、メーカー仕様によりいろんな種類のものがあります。詳しくはそのメーカーにお問い合わせください。この表は繊維ごとの強度の大体の比較表としてご参考にしてください。ご質問があればご相談ください。
電話は 076-237-5535
原糸の形状で ロープの性質が変わります
安全率と玉掛けロープの設計について
玉掛け作業をする場合はワイヤロープは安全率「6」以上として設計しますが、繊維ロープには、はっきりとした規定がありません。しかしながら、実際に使用する場合の目安は必要と思います。
繊維ロープはワイヤロープより大変傷がつきやすいので、その傷の状況はしっかりと管理してもらう必要があります。そのうえで、切断強度の1/10が1本のロープで吊れる最大の荷重と考えてください。つまり、上記の表の1/10より以下の荷重で設計してください。
また、玉掛け作業はできるだけ1本で吊ることは避けてください。吊り角度60度以内で、2本以上で行ってください。
止むを得ず1本吊りをする場合は念のため、ロープの直径を1ランクあげることをお勧めします。
ロープ使用上の注意

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荷重が掛かっているロープの上に立ったり、またいだり、ロープの延長線上での作業は、絶対に行わないでください。ロープが切断した場合、反動が生じて非常に危険です。
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結び、キンクのあるロープは強力がかなり低下していますので使用しないでください。
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鋭い角や、粗い面を持つものとロープを触れさせないようにしてください。
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化学薬品および、熱に近づけたり接触するような場所では使用しないでください。変質、溶解したものは性能が劣化しています。
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安全率の取り方には十分注意して、過荷重や急激な衝撃荷重をかけないでください。
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ロープは「ねじれ」が入らないように使用してください。「ねじれ」が入った状態で使用すれば、強力が低下します。
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ロープの種類によって伸びが異なります。伸びが異なるロープは併用しないでください。
保守点検

ロープは消耗品です。必ず日常点検、定期点検を実施し、摩耗の程度を常に把握し使用してください。
①摩耗の程度 ②切断箇所の有無 ③キンク等の状況確認 ④熱による溶解 ⑤アイ加工部の抜け、傷の状況
廃棄基準
保守点検により、損傷の大きいロープは使用しないでください。続けて使用しますと重大な事故につながリ大変危険です。早めの取り換えが危険の回避の手段です。
いろいろな繊維ロープの紹介
保守点検により、損傷の大きいロープは使用しないでください。続けて使用しますと重大な事故につながリ大変危険です。早めの取り換えが危険の回避の手段です。
ハイクレロープ
ポリエチレンとクレモナを合わせてロープにしたものです。クレモナの扱いやすさと、ポリエチレンの安価さとコシという良いところを合わせたロープです。一般的にグレー色と黄色があります。この色の部分はポリエチレンで白い部分はクレモナです。農業、林業やトラックロープと用途は広い。

ホーサー用ダンラインクロスロープ
ダンライン(PPの強力糸)をクロス打ちしたものです。クロスロープとかエイトロープと言われています。これは船の係留ロープとして、一般的に使用されています。お問い合わせください。

安全、安心は土谷九兵衛商店の願いです

