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金沢の雪を逃れ早春の京都へ

隣雲亭から京都市内を一望
隣雲亭から京都市内を一望

 しばらく前から雪が降り続く金沢。連日の厳しい寒さに、私は「暖」を求めて京都への旅を企画した。目的地は、かねてより念願だった「修学院離宮」である。宮内庁の管理下にあるため事前予約が必須だが、幸いオンラインでの手続きは滞りなく完了した。しかし、いざ出発の段になって北陸本線が大雪で不通との情報が入る。やきもきしたが、運よく特急サンダーバードが運行してくれ、無事に金沢を後にすることができた。

 京都に到着すると、積雪こそないものの、古都らしく雪がちらちらと舞っていた。いくつもの電車を乗り継ぎ、最後は急な坂道を一歩ずつ踏みしめるようにして、ようやく目的地に辿り着いた。後水尾(ごみずのお)上皇によって造営されたこの離宮は、広大な敷地の中に田畑までをも取り込んだ、実に壮大な山荘である。そのスケールの大きさに圧倒され、洗練された建物と庭園の美しさに、ただただ感嘆するばかりであった。

 離宮の最高所に位置する「隣雲亭(りんうんてい)」からの眺望は、まさに絶景だ。遠くには京都タワーや大阪のあべのハルカスを望み、京都御所の様子も手に取るようにうかがえる。市街を取り巻く山々の稜線も美しい。この地で上皇は都の様子を眺めながら、果たして何を思われていたのか―。歴史に思いを馳せるひとときであったが、吹き付ける風はどこまでも冷たかった。

 京都の冬も寒いが、雪が積もらないだけ幾分過ごしやすい。一方、今年の金沢は低温が続き、降り積もった雪がなかなか溶けてくれないのが悩みだ。毎日少しずつ積み重なる雪によって道幅は狭まり、車も人も通行に苦労している。立春を迎えた今日、金沢には久しぶりに陽が差し、ようやく雪解けの兆しが見えてきた。週末には再び寒波が訪れるというが、こうして寒暖を繰り返し、我慢をしながら、金沢の冬は一歩ずつ春へと歩みを進めていくのである。

 
 
 

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