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 富山県の高岡にある勝興寺に行ってきた。ここは昨年の12月に「本堂」と「大広間及び式台」の2棟が国宝の指定を受けた浄土真宗本願寺派の寺院。戦国時代には、越中一向一揆の旗頭として活躍、越前朝倉氏、甲斐武田氏をはじめとする戦国大名や、本願寺、京都公家などと関係を深めていくようになったようだ。藩政時代に入ると加賀藩前田家と関係を深めるようになり、越中における浄土真宗の代表格として、近代に至るまで繁栄したという。

 まさしく、お城である。この地域の大きな勢力であり、加賀藩としても配下に置いておきたい存在であったと思う。ちょうど国宝指定記念の企画展も開催されていて、いろんな資料が多数展示されていた。特に特別公開の「洛中洛外図屏風」は二条城を中心とした京都の有名な寺院や祇園祭りなどが描かれている。伏見稲荷や清水寺、知恩院など知っている場所がたくさん。すごくわかりやすく、面白いし、きれいな屏風だ。

 そのあと、同じく高岡市にあって、平成9年に国宝に指定された「曹洞宗 瑞龍寺」も観てきた。ここも加賀の前田家との密接な関係のある立派な寺院。勝興寺は本願寺と似ているし、瑞龍寺は門前の総持寺と似ていると思う。それぞれの寺院がそれぞれに風格があり、今でもしっかりと伝わってくる。

 そのあと、近くで昼食を食べた。川沿いにある、うなぎと天ぷらの店。初めはうなぎを食べるつもりで入店したが、目の前で天ぷらを揚げてくれるので、天ぷら定食に切り変えた。サクサクでおいしい。アイスの天ぷらがメニューにあり、それも注文した。丸いアイスに薄くカステラを張り付けて揚げるという。初めての体験。国宝も良かったが、アイスの天ぷらも劣らず良かった。

 

 
 
 

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 氷見市内では「光禅寺」に寄ってきた。ここは加賀藩前田家ゆかりの古刹であるとともに漫画家 藤子不二雄Ⓐさんの生家という。すごく立派な寺院だが、その山門をくぐると石像がお迎えしてくれる。忍者ハットリくん、怪物くん、プロゴルファー猿そして喪黒福造。ちょっと違和感を感ずるが、生家だから仕方がない。できれば、もう少し雰囲気のある石像にしてほしいと思うが。この中では喪黒福造は私には印象的。

 喪黒は悩める現代人のちょっとした願望をかなえてくれるが、約束を破ったり忠告を聞き入れなかった場合には、代償を負わせ、最後はその人を破滅させてしまう。欲望や誘惑に負けてしまう人間の弱さ、愚かさと喪黒のやくざっぽい怖さが今でも印象に残る。喪黒の存在は私の子供心に飛び込み、人間形成という面で影響は受けたように思う。

 この夏に秋田の男鹿半島に行ってきたが「なまはげ」も同じような存在かもしれない。怖い「なまはげ」が子供らが怠けないように戒めるが、少し強引で子供らは逃げ惑う。そんな中で倫理観が子供の心の中に育っていく。喪黒も一種の「なまはげ」かもしれない。

 子供のころたくさんの漫画を読んだし、テレビも見た。「巨人の星」「鉄腕アトム」が今でも印象に残っている。子供にとって漫画は人間形成という面で重要なポイントであるように感ずる。漫画といえば娯楽として見られがちであるが、小説と同じようにしっかりと評価されるべき。文科省推薦漫画という評価もあっていい。

 

 
 
 

 

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 氷見市は富山県だか、石川県との境にある都市で冬の寒ブリが有名。能登半島でとれた良いブリも氷見の市場に回っていくそうだ。県境にありながら、山が邪魔しているので、金沢からは約1時間のドライブが必要。以前は氷見に漁業関係のロープ屋さんや金物屋さんがいて、ちょいちょい営業に行っていたが、最近はすっかりご無沙汰。今日は業界の人と氷見の民宿で一泊することになった。

 夜は刺身の船盛のついた食事である。氷見の寒ブリは11月中旬頃からで、今日の魚はすぐ目の前の海で獲れるいつもの魚であるという。中にマグロもいるが、これは氷見のものではない。頭のついた魚はキジハタ。今まで生きていたのだろう。コリコリして、噛みづらい。嚙み切れず醤油を2度漬けしたくなるほどだ。鯛、ヒラメ、バイガイなどすべてが、金沢の魚貝より、さすがに一日鮮度が良いように感ずる。

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 翌朝は快晴。富山湾を挟んで向こうに見える立山連峰からの朝日がすごい。冷たい海から霧が上がり、まるで露天風呂みたい。時間の経つのを忘れて、朝日が昇る様子を布団の中から見入る。富山湾は北西の季節風が吹いても能登半島にさえぎられ、真冬でも荒れにくい。そこで寒ブリが獲れるという。自然の素晴らしさが少し垣間見える。

 すぐ近くにある氷見の漁港には、新しい大きな施設ができた。大駐車場もあり、新鮮な魚貝類をはじめ、干物、かまぼこ、お菓子など何でも売っている。氷見うどんも食べられる。なんと、氷見温泉の総湯もある。至れり尽くせり。施設がすべて整っているため、その分、氷見市内は閑散、中央商店街は残念ながらシャッター通り。以前の氷見の町はもう少し、人がざわざわして、賑わっていたように思う。

 

 

 
 
 
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